いつの時代にも、ヒーローというものは存在する。
ヒーローは周囲の期待を一手に背負う。もちろんプレッシャーは相当なものだ。
その中で本当の仕事が出来るのはほんの一握りで、真のヒーローと呼べるのである。
WBC決勝戦、九回表。
その時日本はあ5点もあったリードがキューバの猛追によって1点差とされていた。
どうしても、後一点が欲しい場面。
ここで点が取れないとその裏に逆転されてしまう。
そういった流れであった。
敵の失策や、味方のヒットでチャンスは生まれた。
一死一、二塁。
舞台とは必然に整うものだ。
全ての日本人の期待が、その男の肩にかかる。
彼は幾度となく、こういう場面に出会い、幾度となく結果を残してきた。
それが、この男の生き方なのだ。
いや、そういった生き方しか出来ないのかもしれない。
しかし、ここは世界一決定の場。今までとは違った緊張感である。
観客は彼を見守るしかなかった。
「彼ならやってくれる。絶対に打ってくれる。」
普通の人間では、バッターボックスに立つこともできない程の重圧。
世界一の座というのはこの打席にかかっているといってもいい。
一球目、ボール。
もちろんこの場面で重圧がかかっているのはバッターだけではない。
キューバのピッチャーも同様である。
彼はいつものように独特なスタイルで精神を整える。
するとどうだろう。そこだけが彼の聖地であると、そういった神秘的な雰囲気が漂っていた。
なんども言うが、常人ではこの場面では力は出せない。
ましてや、ヒットを打ち点を取るなんて不可能に近いのだ。
運命の第二球目。
鋭く振ったバットはピッチャーの投げた外角のカーブを美しい弧を描きながら捉えた。
「カキ-ン!!」
バットの乾いた音。興奮する観客の歓声とため息がスタジアムを包む。
痛烈な当たりはライトへと届き、外野手は懸命にバックホーム。
二塁ランナーは今大会最高の走りで間一髪ホームへと滑り込む。
「セーフ!!!」
一瞬沈黙が流れたかと思えば、
ワッ!!!と沸くレフトスタンド。
太平洋を越えた日本の視聴者も一同に喜んだ。
これを契機に日本はさらに追加点を挙げていった、、、、、
九回裏に守護神がマウンドへあがり、ゲームを閉じると
普段クールな彼も喜びを爆発させた。
人々は彼と同じ国で生まれたことを誇りに思い、歓喜の涙を流した。
思えば長い試合だった。
初回の猛攻に、
怪物の好投。
誰もが確信した勝利も、終盤には焦燥へと変わっていた。
しかし、どんな時もヒーローは救ってくれる。
第一回 ワールドベースボールクラシック 優勝国 日本
ヒーローは、謙虚にチームの力だと微笑んだ。
いつの時代にもヒーローというものは存在する。
今日という一日は色褪せない伝説として、未来の野球少年へと語り継がれるだろう。
現地記者 玄子 隼人
くそっ!見たかった!!YAHOOで結果見ただけやったら、こんな妄想しか出来へんわ、、、、
あほっ!!